当院でも多く質問される内容として多いものの一つに
「自分の症状はヘルニアですか?」や、「過去にヘルニアと診断されたのですが」というものがあります。
ですが、患者様ご自身は名前は知っているがヘルニアがどんなものか。どんな症状なのかを知らない方が多いのが現状です。
今回はヘルニアの定義と症状のお話をしたいと思います。
定義と症状とはどういう事なのか、なぜそれが必要なのか分からない方も多いと思います。
皆様こんな経験はありませんか?
「レントゲンやMRIを撮ってヘルニアと診断されたのに、別のところでは坐骨神経痛と言われた。」
「ヘルニアで手術が必要だと言われたが、マッサージに通っていたら手術しなくても痛みがなくなった。」
これは、定義と症状の違いが引き起こす罠なのです。
当院で実際にいた患者様を例にとってお話しましょう。
45歳女性。左臀部から左脚にかけてシビレがあり整形外科にてヘルニアと診断され、当院にてリハビリをと来院されました。
当院にてマサージや鍼治療をしたところ症状が回復し手術しなくても楽になりました。
確かに画像を診てみるとしっかりヘルニアが出でいますので、定義的にはヘルニアに間違いありません。
ここで気をつけねばなら無いのは、症状的にヘルニアかどうかなのです。
診断はヘルニアです。それも間違いありません。ですが、シビレはヘルニアが原因なのかと言うとそれは違う事があります。
神経の下の方は、まるで髪の毛のように細くバラバラになっているので出っ張ったヘルニアが神経に触らずシビレの原因になっていない事があるのです。
ヘルニアの場合この図のように傷めた神経としびれる場所が一致する事が多いです。
この患者様のレントゲンの場合L4、L5がヘルニアなので下腿はシビレてもお尻まではシビレにくいはずです。
この場合は、坐骨神経痛である可能性があると考えておいた方がいいでしょう。
ヘルニアの中には坐骨神経痛が隠れている場合があります。
なかなか治らないヘルニアは手術をする前に確認してみるのも大切だと思います。
もしかしたら手術しなくても治る可能性もあるかもしれません。
一概に全てのヘルニアが違うわけではありませんので、リハビリと検査はしっかり行うようにお勧めすると言う事です。